介護福祉士国家試験対策8日目
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問題
c.社会の理解
第36回 2024年1月28日
💡 特定非営利活動法人(NPO法人)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 社会福祉法に基づいて設置される。
- 市町村が認証する。
- 保健、医療又は福祉の増進を図る活動が最も多い。
- 収益活動は禁じられている。
- 宗教活動を主たる目的とする団体もある。
正解
正答は3
解説
1✖︎
NPO法人はNPO法(特定非営利活動促進法)に基づいて設置される。
2✖︎
法律に定められた書類を添付した申請書を、所轄庁(都道府県または政令都市)に提出し設立の「認証」を受けることが必要。 提出された書類の一部は、受理した日から2週間公衆の縦覧に供し(自由に見てもらい)、市民の目からも点検される。
3○
NPO法に掲げられている活動は20の分野に分類されている。2024年3月現在で「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」は29,384法人数で最も多いため適切である。次いで、「社会教育の推進を図る活動」が25,201法人数、「子どもの健全育成を図る活動」が25,074法人数となっている。
4✖︎
NPO法人が収益事業を行うことは禁じられていない。そのため、この設問は不適切である。NPO法人は収益事業は禁じられてはいないが、事業から得られた収益や余剰利益を、NPO法人の構成員である社員や会員に分配することが禁止されている。例えば、株式会社のような営利法人では、決算後に余剰利益が生じた場合は、株主(構成員)に配当金という形で利益を分配することができるが、NPO法人はこれができない。NPO法人では、得られた余剰利益は、その法人が定款で定める特定非営利活動のために充てなければならないと、NPO法で規定されている。言い換えれば、余った利益は翌年度以降の特定非営利活動(いわゆる本業)を行うための法人の活動資金に充てる必要がある。
5✖︎
NPO法(特定非営利活動促進法)「第2条第2項第2号イ」に、NPO法人は、その行う活動が、「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものであってはならない。」と定められているため、宗教活動を主たる目的とした活動は行うことができないため、不適切である。
補足
NPOとは?
英語のNonProfitOraganizationの略で、「非営利組織」という意味。諸外国では、行政・民間企業と並ぶ社会活動の第3の担い手として、NPOが大きな役割を果たしている。日本の社会でも、これからさらに活力ある地域社会を作っていくために、NPOが欠かせない存在となっていくことが期待されている。
日本では、これまで、市民が公益的な法人として活動するためには、財団法人や社団法人、社会福祉法人など、諸官庁の許可や認可を受けなければならなかったが、平成10年12月1日施行の「特定非営利活動促進法(NPO法)」により、10名以上の会員と組織運営に必要な書類(法律で決められています。)を整えて所轄庁(都道府県または政令都市など)に申請し、認証を受ければ、法人格が取れるようになった。
ボランティアとの違いは?
ボランティアは、自発的な意志のもと社会貢献活動を行う個人を指す。活動に参加することも、活動を続けていくことも全て個人の意志で決定される。一方、NPOは、社会的・公益的な活動を組織的・継続的に取り組む非営利団体のことをいう。NPOは、スタッフに給与等を支払うことや、有料でサービスを提供することもできる。
非営利ってどういうこと?
NPOとは、「営利を目的としない」組織のことであるが、この「営利を目的としない」とは、利益を上げてはならないという意味ではなく、利益(収益)を社員に分配してはいけないという意味である。株式会社であれば、利益が出たら株主に配当という形で分配し、たとえ利益が出なくても、利益追求を目的とする組織のため「営利組織」となる。一方、NPOの場合には、たとえ剰余金が発生しても団体の関係者で分配するのではなく、次の活動や事業に投資するなど、社会的使命を達成することを目的にした組織のため「非営利組織」となる。
| 名称 | 特定非営利活動促進法(通称「NPO法」) |
| 施行日 | 平成10年12月1日 |
| 法の目的 | 特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること等により、市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、公益の増進に寄与する。特定非営利活動の定義:NPO法に定める20の活動分野のいずれかに該当し、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する活動であること。 |
| 活動分野 | 1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動 2. 社会教育の推進を図る活動 3. まちづくりの推進を図る活動 4. 観光の振興を図る活動 5. 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動 6. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動 7. 環境の保全を図る活動 8. 災害救援活動 9. 地域安全活動 10. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動 11. 国際協力の活動 12. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動 13. 子どもの健全育成を図る活動 14. 情報化社会の発展を図る活動 15. 科学技術の振興を図る活動 16. 経済活動の活性化を図る活動 17. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動 18. 消費者の保護を図る活動 19. 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動 20.前各号で掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動 |
| NPO法人の要件 | 1. 特定非営利活動を行うことを主たる目的とすること 2. 営利を目的としないこと 3. 社員の資格の得喪に関して不当な条件を付さないこと 4. 報酬を受ける役員が、役員総数の3分の1以下であること 5. 宗教活動や政治活動を主たる目的としないこと 6. 特定の公職者(候補者を含む。)又は政党の推薦・支持・反対を目的としないこと 7. 暴力団でないこと、暴力団又はその構成員等の統制の下にある団体でないこと 8. 10人以上の社員を有すること |
| 所轄庁(※)が設立を認証 | 所轄庁:主たる事務所が所在する都道府県の知事、政令指定都市の市長。ただし、NPO法に関する事務を市町村への権限移譲している場合もある。 |
| 提出書類 | 定款、役員名簿、設立趣旨書、議事録の謄本、事業計画書、活動予算書等 |
| 認証基準 | 設立の手続並びに申請書及び定款の内容が法令に適合していること法人の定義や要件に適合していること |
| 事務処理期間 | 申請書受理後、2週間縦覧した後2ヶ月以内に認証又は不認証を決定 |
| 認定(特例認定)NPO法人 | NPO法人のうち、その運営組織及び事業活動が適正であること並びに公益の増進に資することについて一定の要件を満たすものとして、都道府県知事の認定(特例認定)を受けたもの(その認定の有効期間が終了したものを除く。) |
| 認定(特例認定)を受けた場合の税制上の優遇措置 | NPO法人のうち、その運営組織及び事業活動が適正であること並びに公益の増進に資することにつき一定の基準を満たすものは、所轄庁の認定を受けることができ、認定を受けると税制優遇措置が適用される。 |
